それでも ハッピー エンド。 ハッピーエンドとは (ハッピーエンドとは) [単語記事]

【YOASOBI/ハルジオン】歌詞の意味を解釈!原作小説「それでも、ハッピーエンド」と合わせて解説。

それでも ハッピー エンド

ハッピーエンドとは、の結末の一つ。。 概要 上の問題が解決して、をはじめとした登場人物がな結末を迎える事をす。 に没入しているは、を通じて「困難を乗り越え、幸福になる」という体験が出来るため、読後感も良く、概ね評価が高くなる。 「娯楽を楽しんでいるのだから、最終的には幸福感を味い」というのは至極当然のであり、それに正しく応える形と言えるだろう。 このため、の結末として級のものである、と評価する人も多い。 反面、をハッピーエンドで終わらせるには障も多い。 それまでの過程で 的なまでに損を抑えつつ、もがを想像できる地点でを終わらせなければならない。 この時に、やに納得させるためには、様々なやを回収しておかなければならない。 これらを怠ると、として別のを得ることになるだろう。 このような「とってつけたような」「安易な」ハッピーエンドは逆にの対になる事も多い。 不用意に使うと、ネタバレに 大抵のの場合は、 ハッピーエンド などというを付ける必要がない。 それは、これから見る人にとって予め事の終わりを予告することであるからだ。 それは、時として争いの火種になるため、慎重にこのを扱わなくてはならない。 では、どういう時にこのタグを使うのか? 答えは以下の3つ。 期待の高まるのに、太鼓判を押すように ハッピーエンド を添える。 満を持したのに ハッピーエンド を添える。 (が意味を成さないため)• 怒涛の展開のを ハッピーエンド で最後だけ予告することで、安心してみてもらう。 に大がある場合に、内容に触れずに期待をたい時。 ハッピーエンド集の• もが知るを、ハッピーエンド化した 3つ以上あるが、気にしてはならない。 いいね? 関連動画 関連商品 ハッピーエンドに関するの商品を紹介してください。 関連コミュニティ ハッピーエンドに関するを紹介してください。 関連項目•

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私の人生の主役は私。それならハッピーエンドを作っちゃえばいい|「マイナビウーマン」

それでも ハッピー エンド

物語のバッドエンドって大概はハッピーエンドを作れない作者の妥協ですよね? よく本を読んでいて思うのですが、バッドエンドで終わる物語を読み終えた後の気の落ちようって凄まじいですよね。 逆にハッピーエンドで物語が終わると終わってしまった寂しさもありますが、すごくほっとした気持ちになります。 思ったのですが、バッドエンドと言うのはハッピーエンドを作れない作者の妥協ではないですか? もちろん、自分の感情に任せて発言しているのではありません。 結構沢山の本を読んできました。 バッドエンドの物語で、バッドエンドだからこそ面白いと思う物語はありました。 しかしそのような良作は少なく、むしろ読んだ後胸糞悪くなるものが多いです。 バッドエンドを通じて何が伝えたいのかが分からない、ただ報われず終わるだけの物です。 「世の中そんな上手くいかないですよ?」みたいな事を書きたいのなら二流だと思います。 そんな事ほとんどの大人、いや中高生でも理解してます。 バッドエンドで終わらせる事をカッコイイとでも思っているのでしょうか。 そもそも「嫌な終わり方だったなぁ。 良かった^^」って読んだ後思いませんよね? と言うか人物に感情移入して読んでいるのでイライラと悲しさしか残りません。 「俺バッドエンドって好きなんだよね」って人は中二病かひねくれ者です。 あと、この主張を推すもう一つの理由は「皆の納得がいくハッピーエンドと言うのは難しい」と思うからです。 普通のハッピーエンドの物語で、よく「微妙な終わり方だったな」って意見などを聞いて思うのですが なかなか多人数を納得させる物語ってありませんよね。 正直これに関しては沢山の考え方や趣向を理解していないので自分でもよく説明は出来ませんが、難しいと思います。 以上を理由の僕はバッドエンドの作品の大概はハッピーエンドを作れない作者の妥協だと主張します。 皆さんの意見を聞かせてください!!自分が間違っているのかすごく気になります! 批判の主張と言うのは間違ってる事があるとは思うのですが、どうもこうとしか思えません。 どっちかと言うと「なるほど!だからバッドエンドなのか」と納得させられる意見をお待ちしてます! 今の若い人に言っても「ハァ?」としか思われないだろうが、そもそも、バッドエンドって言葉は、ここ最近になってから出てきた言葉なんだよ。 正確に言うなら、TVゲームが出て以降の言葉。 それ以前、ハッピーエンドの対語はアンハッピーエンドだった。 つまり、「ハッピーエンドじゃない終わり方」だったんだ。 「悪い終わり方=バッドエンド」じゃなかったんだよ。 バッドエンドは、グッドエンドと対になるべきで、それはつまり、物語に複数のエンディングがある、いわゆるアドベンチャーゲームのエンディングにこそふさわしい。 実際、そういうゲームには行き詰まってしまったエンディングが待っていて、物語の真相が明かされない場合がある。 これはまさにバッドエンドの例だ。 だけど、小説のアンハッピーエンドってのは、そうじゃない。 大半の小説では、物語がたどり着く答えは1つしかない。 それが作者が生み出したエンディングで、作者は物語を書き連ねるうちにそこへたどり着くわけで、その答えは1つしか無いんだ。 答えを変えるには、物語そのものを全て変えなければならない。 それはバッド、「悪い答え」ではなく、あくまでもアンハッピー、「ハッピーじゃない答え」。 そして、それをどちらにとらえるかは読者であって、作者じゃ無い。 だって、物語の中で、主人公とヒロインがくっついても、「こっちのキャラとくっついて欲しかったのに」と読者が思ったら、その物語は、その人にとって「アンハッピー」なんだよ。 作者が読者に提示できる物語の答えは、あくまで1つだけなんだ。 その1つがハッピーかどうかを決めるのは、繰り返しになるけど、作者じゃ無くて、あくまで読者。 破滅に向かう主人公達が破滅してしまう話であっても、人によっては「主人公達は最初からその道を選んでいたのだから」と、納得がいくかもしれない。 作者は、読者が物語をどう受け止めるかまでコントロールできないし、そもそも、読者をコントロールしてエンディングまで連れて行こう、なんて考えてる作者はいない。 この物語はどうやって終わるんだろう、この終わり方をするには、物語をどう転がせば良いのか、作者はそんなことを考えてる。 だから、アンハッピーエンディングは妥協の産物じゃ無い。 ちなみに「大半の小説では」と書いたのは、複数の答えがある小説もあったりするからですが、まあ、そんなのは普通の人は読まないので。 あとね、創作物にルールは無い。 模範となるルールがあるべき、なんてものは創作物に対する冒涜です。 なんでもかんでも「消費者にサービスすべき」っていうのは、ここ数年のエンタメ業界に対する、受け止める側の悪しき考えだと思う。 「書き手」の意見を言わせて貰っていいでしょうか。 まあ、アマチュア駄目物書きの戯事と思って貰っても構わないのですが。 結論を言えば、「ハッピーエンドだとかバッドエンドだとか気にして書かない」です。 自分は、ただ思った、感じたものを、その話を綴るだけです。 その結末が誰かにとってハッピーだとかバッドだとか考えません。 基本的に「そういう結末の話だった」というだけです。 結末を変えることが全く無いとは言いませんが(長編など書いている途中でより効果的なラストが思い付いた、だとか)、それを妥協と言われてもなあ…と思ったので、少し書かせていただきました。 「ハッピーエンドにならないからバッドエンドになった」ではなくて、「バッドエンドになる話だった」というだけのことなのです。 まあ、読み手が書き手と同じ考え方で文を読むわけではないですからね。 だから文章は面白い。 細々と作品を公開している身としては、読者の反応が気にならないというわけではないですが、そんなに縛られるものでもないと思っています。 何しろ、自分の小説は、自己満足のカタマリを吐き出しているようなものですから。 読者をハッピーにしてあげようとか、アンハッピーを教えてやろうとか、そんな殊勝なサービス精神は、少なくとも自分の文章には無いようです。 たまたま読んだ誰かの心に何か触れればいいな、程度にしか考えていないのです。 人の反応を確認して方向性を変えるような器用さは自分にはありませんので。 そういうことができる器用な書き手が、読み手の印象に残るようにわざとバッドエンド(あるいはハッピーエンド)にする、というのはありそうですね。 善きにつけ悪しきにつけ、それが「印象には残る」わけですから。 まあ、主義主張が押し付けがましい文章は、ハッピーエンドだろうがバッドエンドだろうがいい気はしないものでしょうね。 だから文章は難しい。 バッドエンドとハッピーエンドの定義がそもそも難しいと思うんですよね。 例えば、 悲劇のラブストーリーの代名詞ロミオとジュリエットでは最後二人は死んでしまいますが、これはバッドエンドなのでしょうか? 逆に、あのまま行き違いにならず無事駆け落ち出来たとして、ふたりで馬かなんかに乗って逃避行するシーンで幸せに暮らしましたとさ、ってラストでは、納得できない人も多そうです。 上流階級で育った二人、いきなり庶民以下の生活です。 苦労も多そう。 むしろ、愛しあったまま二人で心中できてハッピーなんじゃない? なんて考え方の人もいるはず。 他の作品でも同様にどう見るか、読者次第でバッドかハッピーかって変わってしまうと思うんです。 質問者さんも「バッドエンドだからこそ面白い作品もある」と感じるものがあるように、ストーリー上のハッピーかアンハッピーかで妥協しているかが決まるのではなく、作品の質としてグッドなラストと思えないならその方が妥協だと私は感じます。 また、質問者さんも指摘しているように、納得できないハッピーエンド物も多いですよね。 無理やりなハッピーエンドも投げやりなバッドエンドもどちらも作者の妥協だと感じます。 あと、映画や小説で泣きたいっていう感動もの 悲劇 好きってかなりいますし、「俺バッドエンドって好きなんだよね」「嫌な終わり方だったなぁ。 良かった^^」って言い方はしない気がしますけど、居ますよ。 思いついた例が映画になりますが、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」とか好きな人の中にいるはず。 死刑執行のシーンが無くてはあの感情は生まれないですから。 執筆活動というのは、その作家が送ってきた人生観が モロに反映されるものだと思います。 で、ざっくりした言い方になるけど、要は、俗に言う幸福な人生を 送ってる人よりも、不幸な人生を送ってる人の方が「書きたい!」って 衝動が強いのだと思う。 もちろん中には、本を読むのが好きだから文章を書く、というような 作家もいるのでしょう。 けれど、多くの作家は、不幸でも、怒りでも、 悲しみでもいいけど、何かしら心に茨を持つ人のように感じるんです。 鬱憤が溜まってる、というのかな。 ほら、片思い中は思いの丈を日記を綴っているけど、 告白して恋人になった瞬間から日記なんて忘れちゃうようなもんでね。 あともうひとつ、世に起こる事件とその後の報道一般を見れば明白なように、 世間というのは、事件が不幸であればあるほどに関心を示すものなのでは ないでしょうか?猟奇的な殺人事件が、神格化、とまでは言わないものの、 何だか伝説みたいに取り扱われてさ。 すなわち、不幸大好きな世間が小説に求める需要と、不幸を売り物にする 作家の供給が、見事にピッタリしているのではないか、と。 「幸せそうなカップルを見ると内心では腹が立つ!」みたいなねw どういう性質の話を作りたいか、あるいは登場人物がどういう性質の人物かで、ハッピーにするかバッドにするかは決まります…。 人は勧善懲悪を望む生き物です。 主人公が罰せられねばならない人物であるのにハッピーにして終わるのは間違いです。 ハッピーにならねばならない人物がバッドで終わるのは間違いです。 あるいは、当然バッドで終わらねばならないと思われる間違った社会に住んでいる善人がハッピーで終わるのも間違いです。 小説は基本自由ですが、そういうルールは漠然とあると思います。 だってそうでなければ読者が納得しませんもんね…。 あなたが納得できないラストだったとしたら、その小説の作者が選択を間違ったのか、あなたが伏線を読み落としているかのどちらかだと思います。

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【最新刊】それでも、ハッピーエンド

それでも ハッピー エンド

さん、にぃ、いち……。 ゼロがくれば、あなたからの電話が鳴る。 そう期待して、カウントダウン。 もう何百回くり返してるだろう。 子どもっぽいおまじない。 換気扇の下、センチな気分に酔って、あなたが吸っていたのと同じ銘柄の煙草に火をつけてみる。 やっぱりというか、なれず、ハデにむせた。 肺がひりつく。 そんな自分にいらつく。 わたしの唾液がフィルターを濡らす。 煙の白い線が換気扇に飲みこまれ消えてなくなる。 まるで、あなたとの関係性のように。 * 太陽は真上にあった。 透度の高い、空の青さに目の奥が沁みた。 それでも負けず、わたしは顎をあげる。 ひこうき雲の線がじんわり溶けはじめている。 桜並木には、祝福の声がこだましていた。 満開だった。 ひらひら舞いちる花びらのなか、みんな写真を撮り、ハイタッチし、はしゃいでいた。 早起きして美容室で結ってもらった黒髪。 本当は買いたかったけど、お金がないから仕方なくレンタルした着物。 だれかが『人生の夏休み終了!』と書いた横断幕をもって叫んでいる。 わたしたちは美しかった。 たしかに、未来はこの手にあったんだ。 だって、あなたは照れくさそうに微笑んで、いってくれたから。 「卒業しても、俺らはなんも変わんないよ」 その言葉をわたしはしんじた。 あなたの頭皮の匂い。 すこしのびた手の爪。 舌の感触。 朝焼けに染まったシーツには、ふたりの形がシワとなって残っていた。 確かにわたしは、あなたの言葉にうなずいた、はずだった。 でも、日々はどうやったって過ぎていく。 むごいほど、わたしやあなたに目もくれず、うごいていく。 過去は変わらない。 不確かなのは、今のほう。 かよっていた美大を卒業し、あなたは有名な広告代理店に、わたしはその下請けの下請けをこなす、イラストがメインの制作会社に入った。 四月を越えた先にあった現実は、ただの早起き。 ただの満員電車。 ただの上司からの注意。 ただの残業。 その「ただの」が、あなたとの時間を壊していった。 描きたくもない絵を描いて、急な発注の変更に対応して、それでも結局ボツになったりして、あー、たぶんわたしはいま鬱なんだろうなとか思ったりしていたら、家からでれなくなっていた。 おもにコンビニの袋や、飲みかけのペットボトル、汁の固まったカップラーメンなんかで構成されたくらい部屋で、スマートフォンを眺める。 画面に映るわたし。 が、笑ってこっちを見ている。 バカみたい。 ピースして、変顔して、あなたに抱きついて。 バカみたい。 もうあんな顔できない。 あんな顔して笑えない。 * 小雨が降っていたあの日、あなたはいった。 「なんで、こうなっちゃったんだろうな」 「わかったらこんなことなってないよ」 そういってわたしは、おかしくもないくせして笑った。 でないと、泣いちゃいそうだった。 わたしは笑い続けた。 鼻水たらしながらバグったみたく笑うわたしを、あなたは困った顔で見ていた。 なにかいいたいのに、いえない。 いわない。 そんな顔。 で、あなたはわたしを黙らせる。 あなたは器用でずるい。 会う頻度で、会話のちょっとした間で、わたしへの気持ち、その度合いを示す。 最後の言葉さえ、わたしにいわせた。 そう、わたしたちは「ただの」元・恋人。 知ってる。 わかってる。 のに、もう一度だけ会いたかった。 あんなに一緒にいたのに、部屋のどこを探してもあなたの気配はなかった。 唇にできた吹き出物がシーツにこすれる。 いつも寄り添ったはずのベッドにさえ、あなたの匂いは見つからない。 涙がでなくて、どうしていいかわからなくて、ひたすら、枕に鼻を押しつけた。 お別れの日、自分の荷物だけきれいさっぱり持っていった、几帳面なあなたを恨む。 あなたは逃げたんだ。 わたしから。 こんなダメなわたしから。 * バックれた会社からの電話も鳴らなくなった。 日が暮れるとともに目を覚まし、日が昇るころに眠る生活。 もうそれは日常になっていた。 支えは、一応振り込まれていた先月分の安月給。 寝すぎと運動不足で痛む腰をさすりながら、やっと身体を起こす。 今日も部屋はくらい。 炭酸のぬけたコーラで喉を潤し、伸びすぎた前髪をかきあげる。 学生時代のほうがよっぽどマシだった。 ザ・廃人のできあがり。 地球上で無意味な生き物ランキングが開催されたら、きっとわたしはかなり上位に食い込む。 なんて、無意味な妄想にふけりながら、期待半分のカウントダウンをしてみる。 さん、にぃ、いち……。 ゼロの寸前、電話が鳴った。 おめぇじゃねえよ。 スマートフォンを壁に投げつけたかったが、とりあえず電話にでた。 ユリちゃんは日本画で、わたしは油絵。 専攻はちがったが、サークルが同じで学生のころはたまに飲んでいた。 ユリちゃんは大学卒業後も就職せず、カラオケ店でホールのバイトをしながら絵を描きつづけている。 そんなユリちゃんを、内心バカにしていた。 こんな先のわからない時代、才能をしんじて、夢なんか追って。 どうせ咲かない花のくせして。 『あんた、仕事辞めたんだって?』 あらためて言葉にされるとけっこうダメージを食らった。 だいたい、どこからその情報仕入れた? まだ親にもいってないのに。 が、かろうじて踏ん張り「なに、冷やかしの電話? 性格わる」といい返す。 『ごめんごめん。 そうじゃなくて、今度個展やるから来ないってお誘い』 「コテンって、あの個展?」 他になにがあんのよ、と笑われながら、場所と時間を聞いた。 『どうせずっと引き込もってんでしょ。 たまには外出なよ?』 うっさいな、といい捨て、わたしは電話を切った。 またひとりになった。 * 化粧なんかしたの、いつぶりだろう。 以前はわりと、おしゃれは好きなほうだった。 けど、イラストの制作会社に入ってからは睡眠不足とストレス、それに機械のごとく働きつづけるキモい同僚たちとの毎日にかまけて、顔はマスクで隠せばいいやという女になっていた。 当然引きこもってからは、誰に見せるでもないスッピン。 出がけ、鏡に映ったわたしはちょっと気合いが入り過ぎてる感じがして、化粧をやりなおした。 外にでると、久々に直で受けた日差しが痛かった。 鳥のさえずりもピーチクうざい。 街の活気にたじろぎながら、重い足をひきずり駅へと進んでいった。 ピッという自動改札の音さえわたしを威嚇してくるようだった。 何度か電車を乗りついでやっと着いたのは、代沢にあるギャラリー。 外で、数人がコーヒーを飲みながら談笑している。 脇をすり抜け、ちょっと重たい扉を開いた。 広くはないけど、白を基調としたシンプルな打ちっ放しの内装で清潔感のある空間。 その壁三面が、四季折々の花の画で彩られている。 まだ花ひらくまえの、桜。 細いながらしっかり支える枝に、咲いていないからこその、未来への生命力にあふれた蕾たちの姿が描かれている。 その隣では深い群青の花弁をたたえた紫陽花が、雨の雫に濡れ、つつましやかな美しさを放っている。 夏の日の、向日葵。 香りさえただよってきそうな晩秋の金木犀。 冬の厳しさを耐えぬいて咲いた、梅の花。 どれもが瑞々しかった。 かなり繊細な岩絵具と水と膠のバランスでないと生まれない色彩。 「来たんだ」 声をかけられるまで、自分が魅入っていたことさえ気づかなかった。 ふり返ると、紺のワンピースを着たユリちゃんがにやついて立っていた。 「すごいじゃん」わたしはいった。 なんのためらいもなく、心からの感想が言葉となってこぼれる。 「へへ、そうかね」 「そうかねじゃないよ。 これ、ずっと描いてたの?」 「うん」 ユリちゃんは八重歯をだして、笑った。 晴れ晴れとしたその笑顔が、逆にこれらの作品にどれほど魂を注いだか、その証明のように思えた。 ほかの来場者から名前を呼ばれ、ユリちゃんは「はーい」と元気な声で答える。 忙しそうだ。 画集でも買ってやれたらいいけど、いまのわたしにそんな余裕はない。 じゃ、といって、わたしはユリちゃんの邪魔をしないようそっと出口へむかおうとした。 そのとき、腕を掴まれた。 「あんたも描いてみれば」 ユリちゃんは笑わず、まっすぐわたしを見ていった。 「あたし、あんたの描く画、わりと好きだったよ」 聞いたことのある台詞だった。 そう思ったら、あなただった。 あなたはいつだって、わたしの描いた画の最初の鑑賞者だった。 「俺、お前が描いた画、好きだよ」 いま思うとちょっと上から目線の感想だけれど、他人の作品をあまり褒めない人だったから、素直に嬉しかった。 帰り、新宿の世界堂で二十号カンバスを買った。 しずみゆく夕日がわたしの頰を真っ赤に染めた。 * 買ってきたカンバスを、イーゼルに立てかけた。 むきあう。 まっしろの、まだなにもないカンバスに。 これは世界だ、と思う。 このまっしろな世界に、わたしはなにを描くのか。 しばらく、じっとしてただ見つめていた。 いまのわたしが、描くもの。 描くべきもの。 「いいかい、怖かったら怖いほど、逆にそこに飛び込むんだ」 むかし、岡本太郎はそんなことをいったらしい。 あなたが自慢げに教えてくれたのが、なんか懐かしい。 しばらく押入れで眠っていた、筆の感触。 軽く、柄を握る。 パレットに広げた十二色の絵の具。 油壺からただよう溶き油の匂い。 ゆっくりと息を吐く。 目をつむる。 筆先が身体の一部となっていく。 わたしは、あなたの街にいた。 無人のコインランドリーが夜道に光っていた。 直してって頼んでも、かたくなに修理しなかった洗濯機。 脱ぎ捨てたふたりの衣類をポリ袋につめ込んで、わざわざここまで洗濯にかよった。 「こっちの方が、洗った感じすんだよね」という、あなたの妙ないい訳を思いだす。 商店街に、人の気配はない。 猫がどこかで啼いていたが、姿は見えない。 ヤー、ヤー、ヤー、と奇声をあげながら、あなたの自転車の後ろに乗った夏もあった。 精肉店のコロッケをふたつに割って、分け合った冬もあった。 スニーカーの底、わざと剥げかけたアスファルトでこすった。 どの店もシャッターは降ろされ、冷たい月がわたしを見下ろしている。 繋いで歩いたあなたの手。 その感触、その温度。 ずっと、こびりついて離れない。 路地を曲がる。 せまい道の両脇に、アパートがひしめく通り。 いつだって、雨に似た匂いが、この路地には立ち込めている。 はじめてあなたにキスされた場所だから? 目を閉じて、おそるおそる唇を寄せたあなた。 を、本当はわたし、ずっと見ていた。 胸がはずむようだった。 つま先に力が入った。 あのころのわたしはまだ、髪が長かった。 出会ったのはサークルの飲み会。 お金なんかないから、宅飲み。 場所はあなたの家だった。 さんざん飲んでみんな寝静まった夜更け、床で目を覚ました。 あなたは隣で眠っていて、寝がえりをうった拍子、足が触れ合った。 かかとは乾燥してカサついていた。 あの、ドキドキ。 あなたの優しい寝息にも触れてみたいと思った。 だれかが酔って倒した窓際の花瓶から、水がこぼれていた。 床にできた水たまり。 反射した、すんだ月明かりが綺麗だった。 懐かしい街で、わたしは叫ぶ。 あなたの名前を大声で叫ぶと、返事が聴こえた。 ああ、こんな声だったな。 その声を追うように、足を進めた。 いや、走った。 膝を高くあげ、全力で走った。 関節が擦り切れてもいま走らなきゃ、ずっと後悔する。 わかりきったこと。 でも、できなかったこと。 坂をのぼりきると、小高い丘にある公園が見えた。 いつか遊んだジャングルジムは、砂場に切り絵のような影をつくっていた。 あなたは、ブランコに腰かけ煙草を吸っていた。 長いまつ毛を瞬かせ、「よお」という。 わたしも「よお」という。 次の瞬間、丘のむこうに広がる街々が輝きだした。 部屋に立てかけたカンバスには、あなたと居た街があった。 もうすぐ夜が終わる。 気づけば全身、汗で濡れていた。 いやな汗じゃなかった。 その場にへたり込んで、筆をパレットに置いた。 本当はずっと一緒にいて、わたしのこと全部わかってほしかった。 弱いとこ、ダメなとこ、あなたにもっといっぱい受け止めてほしかった。 けれど、二十数年ずっとわたしを生きている自分がわたしのこと受け止めてきれないんだから、まぁ、無理か。 希望はなくとも、あなたがいなくても、わたしはこれからもわたしを生きていかなきゃいけない。 あなたといた、恋しい日々を抱きしめて。 きっともうわたしは、カウントダウンなんかしないだろう。 子どもじみたおまじないなんかに頼ることはないだろう。 すくなくとも、カンバスのなかにいる二人の風景は、ハッピーエンド。 それだけでよかった。 あなたからの電話の代わりに、お腹が鳴った。 もうちょっとしたら、たまには朝食でもつくろう。 そんで、お腹いっぱい食べよう。 そうしよう。

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