胆嚢 炎。 胆石症、胆嚢炎、胆嚢ポリープ:胆道の病気と治療

胆嚢炎

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胆石を持っている人すべてに症状が出るわけではありません。 半分以上の人は胆石を持ちながらも無症状で生活しています。 一部の人が胆石による症状、すなわち食後のみぞおち〜右上腹部の痛みを訴えることがあるわけです。 それは食事の刺激により石が胆嚢の中で動いたり、場合によっては細菌感染を起こして胆嚢炎を起こすことで症状が出ます。 胆嚢炎では右上腹部痛に加え発熱も出現し、全身状態が悪化していきます。 ここまでくると入院治療が必要となります。 胆嚢炎とまでいかなくとも、症状が出現した人は原則として治療の適応になります。 また、胆管内に石ができた人は症状がない人でも今後症状が出現する可能性が高いため、治療の適応になります。 胆嚢ポリープとは胆嚢内にできたポリープを指します。 その多くはコレステロールポリープといって、コレステロールが析出して盛り上がっていく良性のポリープです。 それ自体が大きくなっても悪性化することはありません。 ただ、ポリープの中にもごく一部に悪性のものがあり、いわゆる胆嚢癌と言われます。 良性のポリープと悪性のポリープの鑑別は、腹部エコー検査やCT,MRI検査でわかることが多いのですが、一部には鑑別が難しいものもあります。 特に、ポリープが大きくなってきている場合や、採血検査で腫瘍マーカーが上昇している場合は胆嚢癌を疑って手術で胆嚢を摘出することがあります。 また、癌の進行具合によっては追加の手術が必要になることもあります。

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胆嚢摘出術について|外科(消化器一般乳腺・呼吸器外科)|診療科|各診療科・部門紹介|東京都立広尾病院

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膵臓をサポートし、脂肪分の消化吸収を助ける役割を持つ胆のう。 肝臓で作られた胆汁の貯蔵庫でもある胆嚢に炎症が起こる「急性胆嚢炎」は、消化器を扱う診療科において比較的よくみられる疾患のひとつです。 右上腹部の鈍い痛みや、右肩に現れる肩こり、背部痛や吐き気などを主症状とする急性は、放置してしまうと重症化し、死に至ることもある注意が必要な疾患です。 福岡山王病院の肝臓・胆のう・膵臓内科教授の伊藤鉄英先生に、急性胆のう炎の原因と本疾患を発症しやすい人、重症度ごとの症状についてご解説いただきました。 胆のうと胆汁の役割——脂肪の消化吸収を助ける 胆のうは、肝臓で生成された胆汁を一時的に溜め、濃縮させる役割を持つ袋状の消化器官です。 まずは、胆のうと胆汁が食べ物を消化吸収する過程でどのような役割を担っているのか、簡単にご解説します。 食べ物が十二指腸へ到達すると、膵臓から膵液が流れ込む 胃酸により消化された食べ物は十二指腸へと送られます。 食べ物を受け取った十二指腸は、さまざまなホルモンを放出し、膵臓を刺激して膵液の生成を促します。 1回の食事で作られる膵液の量は、成人で500ccほどです。 膵液には消化酵素のリパーゼやアミラーゼなどが含まれており、消化吸収以外のときには閉じているオッディ括約筋が開口(弛緩)することで十二指腸へと流れ込みます。 胆のうが収縮し、胆汁と膵液が混ざり合う 一方、胆汁は肝臓で24時間常に生成され続けています。 この胆汁を一時的に貯蔵し、5~10倍に濃縮している器官が胆のうです。 胃酸により消化された食べ物が十二指腸へと送られると、コレシストキニンというホルモンの司令により、胆のうはギュッと収縮し、50cc~60ccほどの胆汁が十二指腸へと流れ込みます。 オッディ括約筋とは、必要なときに膵液と胆汁を十二指腸へと流入させ、日ごろは逆流を防いでいる「蛇口」と捉えると、理解しやすいでしょう。 胆汁は脂肪酸を乳化させ、膵液に含まれる消化酵素を活性化させる 胆汁自体には消化酵素は含まれませんが、膵液と混ざりあうことでリパーゼなどを活性化させ、その働きをサポートする作用があります。 また、胆汁に含まれる胆汁酸は、脂肪酸を消化吸収しやすい形に乳化させています。 このような役割から、胆のうは腸内で膵臓の働きを助け、脂肪の消化吸収を助ける器官として知られています。 急性胆嚢炎とは——胆石の嵌頓により胆汁の流れが阻害される 胆のうの壁に炎症が起こり、激しい痛みを主な症状とする急性は、私たちが日常の診療現場において高頻度で出あう疾患のひとつです。 急性胆のう炎の原因の約90%は、生じた結石()が胆のう管にはまり込み、閉塞してしまうことです。 このような状態を 嵌頓 かんとん といいます。 胆石の嵌頓により胆嚢管閉塞が起こると、胆汁はうっ滞あるいは逆流してしまい、細菌感染を起こして重症化する危険もあります。 急性胆のう炎と慢性胆のう炎の違い 突発的に激しい症状を伴い発症する急性胆のう炎とは異なり、持続的に続く慢性胆のう炎は、胆のう管が閉塞していない場合にも比較的軽い症状が継続します。 これは、胆石の刺激などにより胆嚢壁に繰り返し炎症が起こっているためです。 急性胆のう炎では、胆のうが浮腫などにより肥大しますが、慢性胆のう炎では胆のう壁が分厚くなり、胆のう自体のサイズは萎縮していきます。 急性胆のう炎の原因——胆石はなぜできる? 近年ではピロリ菌感染などの関与も指摘されている 急性を引き起こすができる原因は、多岐に渡ります。 大きな要因として、胆のうの収縮機能が低下することが挙げられますが、機能低下の原因もまた一様ではありません。 最近では、ヘリコバクター・ピロリ菌(HP)の感染により胆のうの収縮機能が落ちるといわれるようになり、専門家間でも話題となっています(2018年3月時点)。 また、同じ消化管である腸管の運動が低下することで、胆のうの収縮機能にも悪影響が及ぶことがわかっています。 食生活の変化に伴うコレステロール結石の増加 胆石は主にビルビリン結石とコレステロール結石にわけられる また、原因は明らかになっていないものの、や食生活の変化がの生じる原因になっているともいわれています。 胆石は、主成分をビリルビンとするビリルビン結石と、コレステロールを主成分とするコレステロール結石に大別されます。 ) 後者のコレステロール結石は、かつての日本ではほとんどみられませんでしたが、現代になり、日本人の食生活が高カロリー化、高脂肪食化したことによって増加しています。 ビリルビン結石ができる理由——胆汁が凝集し、胆嚢で固まる 前者のビリルビン結石とは、胆汁の粘張度(粘り気)が高くなり、うっ滞や細菌感染を起こすことにより、胆汁が凝集してできる結石です。 5Fとは• 40歳以上(Forty)• 女性(Female)• (Fatty)• 多産(Fecund)• 女性の場合、急性胆のう炎の発症のピークは50歳以上 急性胆のう炎が男性よりも女性に多い理由は、現時点ではわかっていません。 ただし、女性の場合、50歳以降に発症のピークがあるため、更年期を境にホルモンバランスが崩れることが関係していると考えられます。 ホルモンバランスの乱れは脂質分解能の低下にも影響するため、痩せ型の女性で若い頃と食生活が変わっていなくとも、更年期を過ぎてができることがあります。 胆のうの収縮機能の低下も、このような体の変化に関連して起こるのではないかと推測されています。 このほか、若い女性でも経口避妊薬(ピル)を内服している場合は、女性ホルモンの分泌が止まっているため、急性胆のう炎を発症しやすいといえます。 また、肥満体型の方が急激なダイエットをした際にも注意が必要です。 急性胆のう炎の主な症状——右上腹部に激しい痛みが起こる 軽症であれば痛みは食後1~2時間で治まる 急性の典型的な症状は、右上腹部(右季肋部)に現れる鈍い痛みです。 軽症であれば、脂っこい食べ物を摂った後などに痛みが現れ、1~2時間ほどで収まります。 食後の腹痛は、消化のために胆のう自身が収縮しようとしているにも関わらず、機能低下により収縮できないために起こります。 が嵌頓し、胆のう壁に炎症が起こると痛みは鋭利なものに変わり、症状は持続するようになります。 押すと腹筋が硬直する、吸気時の痛みなど、診察時にわかる典型症状 急性胆のう炎の疑いがある場合、診察時に触診を行なうことが重要です。 急性胆のう炎の典型症状には、右上腹部を押すと、圧痛により息が吸い込めなくなるというものがあります。 患者さんのなかには、エコー検査を行なうために機器を患部にあてた際、息がうまく吸えないと訴える方もおられます。 この症状はMurphy(マーフィー)という医師が記録に残しているため、「マーフィー徴候」と呼ばれ、現在でも急性胆のう炎の診断のための重要な手がかりとなっています。 このほか、患部を押すと腹筋が緊張して硬くなる筋性防御(きんせいぼうぎょ)も、主要な症状として挙げられます。 吐き気や嘔気、38度以上の発熱 消化不良のために、吐き気や嘔気が現れることも多々あります。 これらの症状に続き、38度以上の発熱がみられることもあります。 また、腸管の動きも悪化するため、ガス溜まりにより腹部膨満感やつかえ感を感じることもあります。 右肩の肩こりや背中の痛み 急性胆のう炎の場合、神経系を通して肩こりが右肩に現れる患者さんもおられます。 また、背中に鈍い痛みが現れることもあります。 急性胆のう炎の場合は右肩、膵臓に炎症が起こるの場合は左肩に肩こりが生じやすいため、問診の際には上記のような症状はないかどうか、こちらから質問を投げかけるよう心がけています。 重症化した急性胆嚢炎の症状——急性胆嚢炎の重症度分類 急性は、軽症、中等症、重症に分類されます。 中等症の症状-胆嚢の周りに炎症性液貯留が起こることも 炎症が高度に進むと、白血球数やCRP値の上昇が認められます。 CRPとは、体内で炎症が起こっているときに血清中に現れるタンパク質です。 また、画像検査を行なうと、胆嚢の周囲に液体が溜まる炎症性液貯留や、胆嚢壁の高度の肥厚が認められることもあります。 重症の症状——黄疸や敗血症、ショック症状 上記の症状に加え、肌が黄色くなる黄疸や膿腫などが認められた場合は、重症の急性胆のう炎と診断します。 重症急性胆のう炎の症状には、ショックや細菌感染によるなど、命にかかわるものもあるため、緊急的な治療を要します。 胆のうに膿が溜まっている場合、消化器内科において即座に体外に膿を排出する胆のうドレナージを行ったあと、外科的手術へと歩を進めます。 次の記事2では、急性胆嚢炎の基本的な治療と、膿腫が認められた場合に行なうドレナージの方法、術後の生活についてご解説します。

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急性胆のう炎と急性胆管炎|一般社団法人 日本肝胆膵外科学会

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> > 胆嚢炎と胆管炎 胆嚢炎と胆管炎 胆嚢炎・胆管炎の原因と病態 胆汁うっ滞より、胆汁中の細菌が増殖し、胆嚢炎は胆嚢に、胆管炎は総胆管または総肝管に炎症を起こした状態。 この流れを障害する原因の9割以上は胆石で、うっ滞した胆汁に細菌が感染・増殖し、炎症を引き起こす。 原因菌として多いのが、大腸菌やグラム陰性桿菌で、十二指腸から上行性感染することが多い。 胆汁うっ滞のその他の原因としては、術後合併症や腫瘍による胆管の閉塞などがある。 胆嚢炎や胆管炎は、消化器内科でもごく一般的な疾患であるが、重症化すると死に至る疾患である。 胆嚢炎は、胆嚢管を閉塞している場合が多く、炎症が増悪すると胆嚢壁が壊死して穿孔し、 胆汁性腹膜炎を引き起こすことで、全身状態が悪化する。 また、胆管炎では、重症化すると 急性化膿性胆管炎となり、意識障害やショックを伴い、死に至る確率が高まる。 マーフィー徴候とは? 胆嚢がある右季肋下を手で圧迫して、患者に深呼吸をしてもらうと、吸気時に横隔膜に押されて下に降りてきた胆嚢が手で圧迫されて、痛みが増強する所見。 急性胆嚢炎の診断に用いられる。 胆管炎の症状• 右上腹部痛• 意識障害• 治療 急性胆のう炎の治療 絶食、補液で全身状態の改善を改善を図りながら、 抗生剤や痛みに合わせて 鎮痛剤を投与する。 胆汁培養を行った場合には、その結果をもとに抗生剤を考慮されるが、通常は培養結果は時間がかかるので、グラム陰性菌に抗菌力を発揮する第2世代セフェム系(CMZなど)がよく用いられる。 炎症が鎮静されたら、病態を繰り返さないよう、 胆のう摘出術を行うことが勧められている。 また、全身状態が悪い患者に対しては、一時的な 胆道ドレナージを行う場合もある。 急性胆管炎の治療 胆嚢炎と同様、まず 絶食・補液・抗生剤投与を行う。 急性閉塞性化膿性胆管炎では、敗血症からショックに陥る危険性があるため、早急に胆管内圧を下げなければならず、や内視鏡的経鼻胆道ドレナージを行う。 ドレナージが困難な場合には、 緊急開腹手術で胆道ドレナージを行う場合もある。 観察と看護ケア 全身状態の観察 胆嚢炎も胆管炎も重症化した場合、敗血症やショックを伴う場合もあるため、異常の早期発見がとても重要となる。 バイタルサインや意識状態、顔色、末梢冷感がないか注意深く観察する。 苦痛の軽減 強い上腹部痛・右季肋部痛を伴うことが多いため、痛みの程度や部位を確認し、患者と相談しながら鎮痛剤を使用する。 疾患に伴う症状の観察 炎症が悪化し、胆のう穿孔や腹膜炎を合併する危険性があるため、腹痛の程度や腹膜刺激症状、嘔気・嘔吐など症状を観察し、症状の増悪がないか確認する。 また、黄疸がある場合には、皮膚色や眼球結膜の色を観察し、黄疸の程度を確認する。 ドレーン排液の観察と管理 PTBDやPTGBD、EBDドレナージを行っている場合には、その排液を観察し、胆汁が適切にドレナージされているかや、ドレナーン挿入に伴う合併症が起きていないか観察を行う。

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